相対密度・稠度のN値のしきい値について

本サービスでは、N値ヒストグラムの他に、以下のような相対密度・稠度の棒グラフも作成します。

nvalue bar chart

このグラフを描く時にいつも悩むのが、N値が境界にある場合どちらに該当させるかです。つまり、

N=4の粘性土を「軟らかい」と「中位」のどちらにするか

を迷ってしまうのです。どちらでも構わないのですが、設定根拠は明確にしたいところです

本サービスでは以下の根拠に基づいて相対密度・稠度の棒グラフを作成しています。

Terzaghi and Peckの表

まずは、元となるTerzaghi and Peckの表 1) を確認します。表のように、

  • 砂の場合は [4、10、30、50]
  • 粘土の場合は[2、4、8、15、30]

をN値を境界として分類しています。

N値が境界にある場合(例えば、N=4の粘土など)は、この表の書き方だとどちらに該当するかは技術者が決めることになります。

N値と砂の相対密度の関係 1)(Terzaghi and Peck)

N値 相対密度 Terzaghi・Peck
0〜4 非常に緩い very loose
4〜10 緩い loose
10〜30 中位の medium
30〜50 密な dense
<50 非常に密な very dense

N値と粘土のコンシステンシーの関係 1)(Terzaghi and Peck)

N値 qu(kN/m2 コンシステンシー
0〜2 0.0〜24.5 非常に柔らかい
2〜4 24.5〜49.1 柔らかい
4〜8 49.1〜98.1 中位の
8〜15 98.1〜196.2 硬い
15〜30 196.2〜392.4 非常に硬い
30〜 392.4〜 固結した

※地盤工学会の調査法 1) では、「柔らかい」が用いられています。

本サービスでの分類方法

本サービスでは、安全側に評価されるように、しきい値のN値は軟弱な方に分類しています。

N値と砂の相対密度の関係(本サービス)

N値 相対密度
0 ≦ N ≦ 4 非常に緩い
4 < N ≦ 10 緩い
10 < N ≦ 30 中位の
30 < N < 50 密な
N ≦ 50 非常に密な

N値と粘土のコンシステンシーの関係(本サービス)

N値 相対稠度
0 ≦ N ≦ 2 非常に軟らかい
2 < N ≦ 4 軟らかい
4 < N ≦ 8 中位の
8 < N ≦ 15 硬い
15 < N < 30 非常に硬い
N ≦ 30 固結した

以上のように設定したのには、安全側に評価されるためだけでなく以下の理由があります。

1.N=4の粘土は「中位」よりも「軟らかい」と評価する

道路橋示方書・下部構造編 2) では、N値が5未満(つまり、4以下)であるような軟弱な粘性土の場合、標準貫入試験からせん断強度を求めるのは適当ではないので、他の試験から求める必要があるとしています。

また、JH設計要領 3) では、以下の表のように層厚10m未満の粘性土地盤の場合、4以下を軟弱地盤の目安としています。

軟弱地盤の目安(JH設計要領)

地盤 泥炭質地盤及び粘土質地盤 砂質地盤
層厚 10m未満 10m以上
N値 4以下 6以下 10以下

すなわち、N=4の粘土は「軟らかい」と評価されるのが適当であると判断しました。

2.N=10の砂は「中位」よりも「緩い」と評価する

「緩い砂」は軟弱地盤に相当すると考えると、上記の軟弱地盤の目安の表から、N=10の砂は「緩い」と評価されるのが適当であると判断しました。

また、構造基準解説書 4) では、以下に挙げる地震時に液状化の恐れのある地盤の概略条件のなかで、N値については概ね15以下であるとしています。緩い砂は液状化の恐れのあると一般的に認識されることを考えると、N=10は「中位」とするよりも「緩い」とした方が良いとも判断されます。

  1. 地表面から20m以内の深さにあること
  2. 砂質土で粒径が比較的均一な中粒砂等であること
  3. 地下水で飽和していること
  4. N値が概ね15以下であること

参考文献

1) 地盤工学会:地盤調査の方法と解説、pp305-308、2013.
2) 日本道路協会:道路橋示方書・同解説 下部構造編、p140、H24.3.
3) 日本道路公団:設計要領 第一集、pp178-179、S58.4.
4) 国土交通省住宅局建築指導課ら監修:2007年版 建築物の構造関係技術基準解説書、p513、H19.8.